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棟田博と長谷川伸 「分隊長の手記」から

2012.11.01 Thu
 近所の図書館に、棟田博の「兵隊小説文庫」シリーズが揃っていた! とりあえず、出世作「分隊長の手記」を借りた。これ、光人社NF文庫に入ってないのでどうしたものかと思案していたので嬉しい。棟田博は自身も支那事変に出征し負傷した経歴の人なので、兵隊にむける眼差しがとてもあたたかい。「陸軍いちぜんめし物語」「板東俘虜収容所物語」、映画にもなった「拝啓天皇陛下様」あたりは、NF文庫でいまでも入手できる。軍隊生活がどんなものだったか興味のあるひとは読んで損はない。
 
 さて、後書きを先にのぞいてみたら、こんな話が。棟田さんがまだ無名の頃、面識のない長谷川伸のところへ、自分の家に伝わる与力の手帖控を同封し金五円也を拝借したいと無心状を送った。このころの長谷川伸は、すでに大衆小説や戯曲で名声を確立していた人気作家だ。見ず知らずの人間の、こんな頼みに長谷川は、十円の為替を送ってよこした。これが、長谷川伸の他人への接し方の常であったそうだ。

 棟田さんが再び長谷川に手紙を送ったのは、それから数年経ち応召兵として岡山の聯隊に入営した時だった。兵営から出征の挨拶状を出すと、小包が送られてきた。寄せ書きが書き込まれた国旗であった。「祈武運長久 棟田博君」と大書され、実に七十九人の署名が。長谷川伸本人はもちろん、夫人・令嬢、島田正吾・辰巳柳太郎・中野実・梅沢昇……。わざわざ声をかけて寄せ書きを作ったのだろう。棟田さんは、「分隊長の手記」の作中にこう記している。

 「見ず知らずの僕はこれを原隊で受けとったとき、ありがたくて泣いた」

 長谷川伸は、幼いころから辛酸をなめ苦労して流行作家となったひとだ。他人へのこの接し方をみれば、いかにそれを「良い」苦労としたかがわかる。作品と自身の行いがこれほど一致した人はあるまい。

 ……さて、本文をさらに読んでいこう。


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Theme:読んだ本の感想等 | Genre:小説・文学 |
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【MMD】夕陽を見ていた男  「帰ってきたウルトラマン」の思い出に

2012.10.26 Fri
 物心ついて最初に本放送で見た、ウルトラシリーズは、「帰ってきたウルトラマン」であった。わくわくしながら毎週の放送を楽しみしていたその記憶ゆえか、三つ子の魂百までというかなんというか、わたしの特撮物の基準点とでも言うべきものである。
 さて、昨年から、MikuMikuDanceでポツポツと愚にもつかない動画を作っている。前からぼんやりやってみたかった、冬木透先生の音楽にのせて夕陽をながめる作品をアップした。



やはり冬木サウンドはすばらしい。雄大だ。そして、なぜか少し切なくなるのであった。

Theme:その他 | Genre:その他 |
Category:ネットは広大だわ | Comment(0) | Trackback(1) | top↑ |

小栗旬と独立愚連隊 「荒川アンダーザブリッジ」

2011.09.28 Wed
 先頃放送の終了した実写ドラマ版「荒川アンダーザブリッジ」、あれを見るたびに思っていたことがある。村長を演じた小栗旬、あの緑色に塗った顔が、佐藤允に良く似ていた! 「ブローニングってやつぁ、案外不便なピストルでしてね」と言って見て欲しいくらいそっくりだった。メイクとは意外な効果をもたらすものであることよ。

 それに触発されて、久しぶりに「独立愚連隊」「独立愚連隊西へ」を鑑賞した。今となっては作れないタイプの映画というのはいろいろあるが、こういった「兵隊映画」とでも呼ぶべき戦争映画はその最たるものだろう。

 と、そんなことを考えていたら、故・景山民夫氏の傑作「野鼠戦線」を読み返してみたくなった。カオス状態の本棚からの発掘を試みることにする。

Theme:日本映画 | Genre:映画 |
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サブジェクト・トゥする 「日本のいちばん長い日」

2011.08.15 Mon
 だからなんだ、と突っ込まれるだろうが現在わたしは、昭和二十年当時の昭和天皇の御年齢とおなじ歳である。今のおれと同じ歳で、陛下はあの日本史上未曾有の難局に立ち向かわれたのか……そんな感慨から今年、久しぶりに全編を鑑賞した。そう、「日本のいちばん長い日」を、である。言わずと知れた、昭和四十二年公開の、岡本喜八監督の手になる重厚長大な戦争史劇である。見終わると気力も体力も削ぎ取られたような感にとらわれる映画であるが、それでもわたしはこれで都合四回、全編通して見ている。それほど強烈な磁力を放つ作品だ。

 冒頭、連合国のポツダム宣言提示からの経緯が仲代達矢のナレーションで説明される。鈴木内閣による「黙殺」という反応、広島・長崎への原爆投下、ソ聯の対日参戦……このアバンタイトルは二十数分におよぶ。歴史の経緯を知っていても見ているこちらは、早く決断しないと日本が滅びてしまう! と気が気ではない。ついに宣言受諾と決まったものの、閣内で条件に関し意見の不一致が生じ、最終的に昭和天皇の御聖断を仰ぐこととなった。総理大臣鈴木貫太郎(笠智衆)の求めに陛下がお応えになる……

〈ナレーション〉
「不気味な静寂が流れた。やがて、天皇が静かに立ち上がられた。かくして、日本にはそのいちばん長い日がやってきた」


ここで劇伴が流れ、タイトルが表示される。そして昭和天皇(先代・松本幸四郎)が聖断を下す。長くなるが以下にその全台詞を紹介したい。

「反対の主旨はつぶさに良く聞いた。しかし、私の考えはこの前言ったとおりで、変わりはない。
 これ以上、戦争を続けることは無理である。陸海軍の将兵にとって、武装解除や保障占領は耐えられないであろう。國民が玉砕して、國に殉ぜんとする気持もよくわかる。
 しかし。しかし、私自身はいかようになろうとも、國民の……國民に、これ以上苦痛を舐めさせることは、私には忍びえない。
 できることは、なんでもする。私が直接國民に呼びかけるのが良ければ、マイクの前にも立つ。陸海軍将兵を納得させるのに陸軍大臣や海軍大臣が困難を感ずるのであれば、どこへでも出かけて、宥めて説き伏せる」


 はじめてこの作品を見たとき、この昭和天皇の台詞で滂沱たる涙がとめどなく流れ、自分自身驚いたものだった。もともとの陛下のお言葉から、脚本の橋本忍がたくみにエッセンスを抽出してまとめてある上に、松本幸四郎の声の演技がまた絶妙なのである。「國民の……」で一瞬声が詰まるところ、「できることは、なんでもする」で声を励ますところなどは、昭和天皇の心痛と、それを押して示した使命感の強さがありありと胸に迫って感じられる。

 日本は無くなってしまうのか。これからの日本はどうなるのか……あの日を知る人たちの、そのとき抱いた強烈な思いがこの映画には凝縮されて込められている。語りたいことは山ほどあるがそれはまたの機会に。なにしろ……疲れた……。


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ロマン・ポランスキーの「それ町」

2010.10.17 Sun
 十月十四日放送分のアニメ「それでも町は廻っている」第二話をニヤニヤしながら観ていたわたしの目は、あるシーンに釘付けになった。

 歩鳥が読んでいる推理小説「奈良ボマー」の劇中劇で、殺人現場の壁に赤く「DEATH TO PIG」の殴り書きが……シャロン・テート事件かあ! 本物に遠慮しているのか、PIGは単数形にしてあるようだがそんなもん遠慮のうちにはいるかあ! まったく油断も隙も無いですね、シャフトって。

 それにしても、やはりシャフトが手がけた作品はオープニング、エンディングともにカッコいい。オープニングのダンスも、京アニのアレ以来猖獗を極めるアイドルの振り付けふうではなく、ミュージカル的なそれで攻めてくるあたりはさすがだ。エンディングもいい。引いた構図の中で動きまくるキャラクターを見ているだけでも楽しい。個人的に、ベースを弾く紺先輩の動きに、ものすごーくロック的ななにかを感じる。特に、最後に横を向くところなんかね。


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